Peoples Voice Magazine...74bpmクルーの日々の徒然。


NEW!!!後編第一話
カトマンドゥューの夜・・・。... by STRONG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むかし、kbleemと旅の話をしているとき、なぜか印象に残っていた話があった。
俺たちは、ネパールの話をしていた。俺が何気なく「ああ、カトマンズね」と言うと、彼はすかさず「カトマンドゥュー」と訂正するかのように言った。俺は別にどっちでもいいじゃんと思って、軽くスルーし話を聞いていた。でも、カトマンズという単語が出てくるたび、カトマンドゥューとニコニコしながら言った。あまりにも言うので、俺も真似して『カトマンドゥュー』と試しに言ってみた。言っているうちにカトマンズではなく、カトマンドゥューのような気がしてきた。不思議だ。たったそれだけのことなのに、何だかワクワクした・・・。

そして、俺たちはネパールの首都カトマンドゥューに到着した。とても一国の首都とは思えないような静かで小さな空港だった。入国手続きを済ませ、空港を出ようとすると、外には俺たちを今か今かと待ち構えているネパール人たちがいた。俺は正直ビビッていた。すると、韓国人の男一人と女二人、日本人の男(けっこう若そう)一人が俺たちに話しかけてきた。「君たちはどこへ行くの?」俺は「タメルチョーク」と答えた。俺はもちろんのこと、stinkerもネパールは初めてだった。歩き方もちょっとしたガイドブックも何もない。ほぼ、NO Information!‘タメルチョーク’はバックパッカーの集まる安宿街で有名なところだった。それしか知らなかった。すると、韓国人の男が「良かったらいっしょに行かないか?みんなでシェアすれば、タクシー代も安く済むし・・・。」俺たちはもちろんいっしょに行くことにした。空港の外に出ると、一瞬にしてネパール人に囲まれた。カタコトの日本語、Broken English、何十人もの声が飛び交った。手には日本語で書かれた宿の名前のプラカードやパンフレットを持っている。みんな必死に自分のところの宿をアピールしている。「俺のところにこい!今なら宿の料金を半額にしてやる」とかいろいろ。ホントにみんな必死だった。彼らは考える時間を与えてくれない。適当に、本当に適当に宿を選び、逃げるようにして車に乗り込んだ。早く車を出せと運転手を急かせて、俺たちは空港を後にした。

車から見るカトマンドゥューの街はまさに異国だった。街には人があふれ、活気に満ちていた。物売りや野菜売り、小さな子供が駆け回ったり、何をしているのかよくわからないおじさんたち、洗濯をする女の人、交通整理する警察官。道にはゴミがあふれ、車やバイクは好き勝手運転してる。すべてが俺をワクワクさせた。しばらくすると車は宿に着いた。そこのG・Hの中は値段のわりにきれいなとこだった。一日中、外に出ないでも快適に過ごせそうな感じがした。何でも揃っている。何だか嫌な気がした。俺たちはそういう宿やそういう状態にいることを‘型にはめられる’と呼んでいる。簡単にいうとカモられるということだ。それだけはどうしても避けたいので、俺たちは違う宿を探すことにした。宿のオーナーに「ここはタメルチョークか?」と聞くと、「いや、もう少し行ったとこだ」と答えた。俺たちは「タメルチョークに行く」と言うと、宿のオーナーはなぜ、そんなとこにいくんだという顔をしながら、ブツブツ文句を言っていた。俺たちはタクシー代を払い歩き出した。街の中の生活を見ていると、どこか懐かしい感じがした。10分ぐらい歩くと、英語や日本語や韓国語で書かれた看板が目立つようになってきた。道行くネパール人に「ここはタメルチョークか?」と聞くと「そうだ」と答えた。そして、‘Tamel G・H’と書かれた看板を見つけ、路地に入った。路地を抜け、二階に上がると受付があり、部屋を見せてもらうことにした。部屋もトイレも汚かったが、安いし、その部屋にすることにした。その日の夜、本を読んでいたら、急に部屋が真っ暗になった。停電だった。停電なんてホント久しぶりだった。今はほとんどないが、俺が小学校低学年のころはタビタビあった。その当時、停電が起きると、母親が戸棚の引き出しからロウソクを出し、それに火を点けた。そして家の中が照らし出された。ちょっとしたイベントみたいだった。暗い家の中から見る外の景色がとても好きだった。街頭も消えていて、いつもとは全く違う景色を見せてくれた。そんなことを思い出しながらカーテンを少し開け、外の景色を眺めた。外からは若者の奇声を発する声、赤ちゃんの泣き声、車のクラクション、犬の吠える声、いろんな生活の音が聞こえた。荒廃しているけど、人々の暮らしがしっかりと根づいている。そんな気がした。その日は妙な安心感に包まれて、死んだように寝た...。

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