Peoples Voice Magazine...74bpmクルーの日々の徒然。


第五話 前編最終回
旅がもたらしてくれるもの...。... by STRONG

 

 

 

 

 

 

ギラギラ照りつける太陽。抜けるような青空。透き通るような海。どこまでも続く白浜。ビーチ。そうザ・ビーチ!少し時代遅れの気もしたが、ひと昔前、ヒッピーたちが目指した聖地パンガン島にやってきた。バンコクからスラータニーまでバスで10時間。そこからフェリーでサムイ島を経由して2時間30分。やっとの思いで着いた。少し疲れていたが、ビーチに着いたとたんいやおうなくテンションが上がった。早速水着に着替え海に走った。(泊まってたバンガローからダッシュで10
秒!)stinkerとフリスビーをしたり、照りつける太陽の下で日光浴をしたり、おもいっきり砂浜を駆け回ったり、とにかくはしゃいだ。ひと通りやりおえて興奮も収まったところでバンガローに吊るしてあるハンモックで包まれるように昼寝を楽しんだ。ちょうどフルムーンに合わせて行ったので、夜になるとすごく月がきれいだった。そんなこんなで1日があっという間に過ぎていった。次の日も次の日もだいたい同じことをして過ごした。ここにきてまず驚いたのは朝起きて、周りのものが何ひとつ変わってないことだった。バンガローから見える朝の海の景色は、昨日と全く同じでよく描かれた絵みたいだった。同じ景色が次の日も続く。まるで時が止まっているかのような、そんな感覚だった。パンガンでの日々はとてもリラックスした充実なものになった。いやぁ〜来てよかった!多少、物価は高いが・・・。2日目に宿のオーナーにシュノーケルを借りてシュノーケリングに行った。初めて見る南国の海はとてもきれいだった。真っ白な砂が道路を造り、海に洗われ流れ着いた岩が魚の家を造り、小さいカニや見たこともない名前も知らない小さい魚たちが生活していた。海に住むものたちの町があった。陸に生きるものにとっての住む世界があり、海に生きるものにとっての住む世界があり、空に生きるものにとっての住む世界もきっとあるんだろう。何千年も前から当たり前のことなんだろうけど、そんな当たり前を噛みしめた。

そして夜になると海はまた違った顔を見せてくれる。夜中、一人で浜辺に座って満月を眺め、潮騒に静かに耳を傾けていると、昼間いつも俺たちと遊んでくれているここの浜の犬が近くに寄ってきて隣に座り、じっーと海を見せてくれる。時間という概念がフッ飛んだ。そしてこんなロマンティックな詩ができた。

『ヤシの木が浜風に揺られ
海面が月明かりに照らされて、
水平線へとつづく小道になったとき、
全てが無限だと達観した。
有限な命の中で無限の可能性が優しく俺を包んだ。
もう、すべてが大丈夫だと確信した。
自分の弱さズルさ臆病さ、許せた。
波は一瞬にしてすべてを洗い流した。
海は知っていた。
海は欲しがらなかった。
海は信じれた。
海は始まりだった。
海は優しかった。
海はどこまでもいつまでも海だった。
海はただそこにあるだけだった。
喜びだった。』

と、まぁこんな気持ちにさせられた。自分自身の小ささに改めて気付かされた。いろんなことがどうでもよくなった。やっと始まったのかもしれないなとふと思った。旅に出て1ヶ月弱。これからまた始まる。その日はハンモックで朝を迎えた。全てリセットしたとこでstinkerと次の目的地の話をした。ネパールから行くか、インドから行くか。インドについてはstinkerからいろいろ聞かされていた。去年、彼は2ヶ月ほどインドを一人で周っていた。その話を聞いていて俺なんかとても行けな
いと思っていた。単純にビビッていた。インドは俺を受け入れてくれるだろうか?俺はインドを受け入れられるだろうか?でも、どっちにしろ行くしかないと思った。この島はいろんなことを気付かせ教えてくれた。60年代後半、ヒッピーたちがいたこの楽園の足跡が少しだけ垣間見れた気がした。パンガン島でのあっという間の10日間を過ごし、ネパールに向け飛び立った・・・。

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